自筆証書遺言とは

自筆証書遺言とは、遺言者が自分一人で遺言の全文を筆記して残す遺言のことです。

自筆証書遺言の方法

自筆遺言証書は、公正証書遺言や秘密証書遺言のように、証人や公証人を頼んで書く必要がないので、自分ひとりで作成することができれば紙代だけで済みますし、遺言の中身やその遺言自体も秘密にすることができます。

しかし、遺言の保存をしっかりしないと、無くしたり見つからなかったりすれば遺言を書いたことにならないので無意味になってしまいます。

また、遺言の内容は相続開始時に、家庭裁判所で検認という手続きをして貰わなければならないので、その時に費用がかかります。

相続人や代理人の立会いも必要ですし、手続き期間が1ヶ月ほどかかるでしょう。

検認の手続きに必要な書類は、申立書1通申立人と相続人全員の戸籍謄本各1通、遺言者の除籍(戸籍)謄本、または改製原戸籍謄本各1通と印鑑です。

手続きの費用は切手代を入れて1,000円前後です。

申立人になるのは遺言書を発見したり、保存しておいたりした人です。

自筆証書遺言は遺言者本人が必ず全文を自筆しなければなりません。字がうまくないからといって他人に書いてもらったり、ワープロで作成したりすると無効になります。

また、ビデオやCD、テープ、フロッピーディスク等で保存したものも遺書という形にはなるでしょうが、本来の遺言としては無効となります。

意思ははっきりしているのに、手が少し震えてうまく書けないというような場合は、公正証書遺言や秘密証書遺言などにした方がよいでしょう。

様式は自由で、横書きでも縦書きでもかまいません。用紙や筆記具もどんなものを使ってもかまいませんが、鉛筆で書くと改ざんされる恐れもありますし長期保存には向きにくいので、消えにくいものを使ってください。

本文はもちろん、氏名や日付も自筆で書き入れます。氏名は本人を特定できれば、本名ではなく芸名等でも有効となるようです。

最後に印を押すわけですが、認印や拇印でも有効ということになっています。

ただ、認印ですと同じものが出回っている可能性もありますので、やはり実印がよいと思います。

字を間違えたり、書き損じた時は、押印したものと同じ印鑑を文面の欄外に押し、何字削除、何字加入というように書き添えます。

夫婦で共同して、同じ遺言書に遺言することはできません。