贈与も一種の契約なのですが、簡単に言うと、無償でお金や物を人に差し上げることです。
例えば、「あげるから貰って下さい。」と言われ、「はい、いただきます」となれば贈与契約完了となるわけです。要するにお互いの了解があれば、口約束だけで贈与は成立するというわけです。
しかし、この口約束というものが、お酒を飲んで酔っていた時はどうなるでしょうか。
お酒を飲めば人間というのは気が大きくなりがちで、ついつい気前よく「この腕時計、君にあげるよ」なんて言ってしまうかも知れません。
酔いが回り過ぎて、知らないうちにお金あげる約束をしてしまうこともあるでしょう。酔いがさめた後で「そんなこと言った覚えはないな~」「くれるって言ったじゃない」なんてことになっては大変です。
しかし、そこは心配御無用、口約束は取り消すことができるのです。いつでも取り消せるのかということには少し法律的な判断が関係してきますが・・・。
それでは口約束ではなく、書面での贈与契約をした場合はどうでしょう。
書面に残すと法的拘束力が生まれ、簡単には取り消せなくなります。
口約束とは違って、一定の証拠として残るからです。
物やお金をただで上げるというのは家族や親戚、親しい友達などが通常は対象になるでしょうから、口約束でも構わないのですが、その約束によって利害が生ずるような場合は、書面にしかっり残すことが求められます。
これは、当事者だけでなく、第三者が見ても明らかな証拠になり得るからですね。
例えば、土地や建物といった不動産を贈与する時には、必ず所有権の移転登記や、農地法の許可申請において書面による契約書が必要になります。
贈与というのは金銭や物をただで貰うわけですから、何も断る理由はないと思うかもしれませんが、贈与には贈与税という税金がかかるのです。
したがって、現金を貰った場合はそこから払えばいいのですが、不動産(土地、建物)や動産(自動車、宝石など)などを貰った場合は贈与税の支払いのために、何かを現金化する必要も出て来ることがあるでしょう。
では、その税金とはいくらになるのでしょうか。
年間の贈与額は110万円までは無税で申告の必要もありません。
ただし、個人間、法人から個人へ、個人から法人へ、法人間のそれぞれで贈与税の扱いが異なります。