贈与税額控除とは

これは生前贈与加算による規定となるもので、相続開始前3年以内に被相続人から贈与された財産がある場合、例え、それが基礎控除である110万円以下の贈与であっても、非課税財産以外のものは相続の課税価格に加算されることになっています。

この3年以内とは、例えば、被相続人の死亡日が平成26年1月25日であれば、平成23年1月25日がちょうど3年前になります。

また課税価格に加算される価額は、相続時ではなく贈与時のものになります。

贈与時には100万円で、相続時に200万円の評価額であっても、贈与時の評価額である100万円しか加算されません。

しかし、贈与税を納めている財産を再び相続財産に加算して相続税を払うことは、二重納税になるので、次の算式によって相続税から贈与税控除を受けることができるわけです。

贈与税額控除額=贈与税額×加算された贈与財産/贈与を受けた年分の贈与財産合計

被相続人である父からの贈与が700万円で、母からの贈与が300万円とすると、贈与時の贈与税額は231万円です。

231×700/1,000=161万7,000円

仮に相続税額が贈与税額控除額より少なくても、相続時清算課税制度とは違って超過分の還付を受けることはできません。